A jewel in a dunghill

雑念の地下シェルター

となりの怪物くん

 

互いに性格は違うが孤独な二人、そんな二人の出会いは周囲の人たちを巻き込んで形を変えていく。
実は優秀なのに暴力的で友人を求めるが孤独なハル、成績こそが全てであり自分を維持する為に他人との関わりを排除する雫。そんな二人は孤独でありながらも考え方は対照的だった。
二人にとって望むものはあっても自分のことは何一つ見えていなかった。
他人からの評価なんてものは関係ない。きっと二人はそう考え、自らの進むべき道しか見えていなかった。
だけどハルと雫が出会い、クラスメイトの夏目にササヤン、さらにヤマケンの登場により物語は変化を見せていった。
孤独であった二人に友人といえるものができ、彼らは自己を少しずつ認識し始める。他人にとって自分はどのような存在であり、自分の行動は誰にどう影響を与えていくか。
雫は自分の価値を決めるのは自分であり、そのために人は努力するのだと言い。それに対してハルは決めるのは他人であり、誰かに認められなかったらどんな価値をもっていても意味がないからと言った。
どんなに努力をしても雫はテストの成績でハルに勝つことはできない。私が私を認めないで誰が認めてくれるのか。
雫にとってハルが成績において努力している自分よりも遊んでいるのに上であることは納得できなかった。
自分の価値を他人が決めるというのはハルだから言えることであった。
彼らは不器用で、自分のことは一人ではわからない。だけどハルと雫の二人が出会ったことで互いに自分という人間を見つめあうことができた。
自分という存在を認識することは難しく、他人にもそれは容易く理解できるものではない。
しかし対照的であり、相手ことを知りたいと思っていたからこそ自分とは何者であるかを二人は知ることができた。